地球の命は微生物から始まった

地球が誕生して46億年が経つと言われます。
約40億年前、原始地球に生命の素材となるタンパク質や核酸が現れ、36~38億年前に最初の生命が誕生。それが、水中で水素や硫化水素を使って代謝・複製を行う微生物です。
当時、地球上に酸素はありませんでした。生命の維持には酸素が必須だと思われがちですが、微生物は地球に酸素のない時代からその生命を繋いでいます。

その後、海中で光合成をする微生物が現れ、水中に酸素を放出します。酸素が陸地に広がったのは20億年前(大気中の空気が紫外線で分解されたという説もあります)。
それによって、多彩な生命が陸上に誕生しやすい環境が整いました。

人間は、生命のニューフェイス

それから長い時間が経ち、人間の祖先である現生人類が現れたのは、20~25万年前です。
地球の誕生を1月1日として現在までを1年間のカレンダーで表すと、微生物は3月頃に現れたことになり、現生人類は大晦日の23時30分を過ぎてようやく登場します。
つまり、私たち人間は地球上の生命の中でも極めてニューフェイスの部類なのです。

進化論から取り残された微生物

微生物は地球に住む全生物の祖先です。
気が遠くなるほど長い時間をかけて微生物が進化し、植物や動物が生まれていきます。
また、他の生命が地球に生まれやすいよう環境を整えてくれた恩人ともいえます。けれど、肉眼では見えないこの生き物は、最も後に発見された生命でもあり、進化論などの生命の起源を探る研究から長い間取り残されて来ました。
発見後は、急激に研究が進んでいますが、最初の微生物がどこでどのような作用から生まれたのか、またどのように植物や動物に繋がったかは、未だ解明されていません。

けれど、人間が微生物を知ったのは340年ほど前のこと。地球カレンダーで言うと、限りなく12月31日の24時に近い「現在」です。まだ謎だらけなのは仕方ない事かもしれません。
微生物誕生の秘密は、これから時間をかけてゆっくり解き明かされていくであろう、最も興味深い謎のひとつです。